藤田はるか

「111l」

 

(会期)2024年5月17日(金)~6月3日(月)

(オープン)金・土・日・月

   月・金:13:00~18:00 / 土・日:12:00~17:00

(クローズ)火・水・木

 

(会場)MONO.LOGUES

〒164-0001 東京都中野区中野5-30-16 メゾン小林101

(入場料)無料

 

E-mail: info@monologues.jp

WEB: www.monologues.jp

Instagram: www.instagram.com/mono.logues_/

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※ 当スペースにはお手洗いおよび駐車場がございません。予めご了承ください。


MONO.LOGUESは5月17日(金) 〜 6月3日(月)まで、写真家、藤田はるかの個展「111l」を開催致します。

 

藤田はるかはこれまで、自身のルーツを辿った旅や、東日本大震災後の故郷・仙台、そして、国内外の冬、雪の世界など、自身の起源にまつわる事を対象に写真を撮り続けてきました。

 

今回はコロナ渦中の2020年に作成、発行した写真集『111l』を元に、ライトボックスを使用した作品で展示空間を構成します。また本作は、新型コロナウィルスにより行動制限がかかる中、藤田が自身のweb上で公開した「111l web photo exhibition」(2021)のオフライン版として、実空間で初めて発表されます。

写真集『111l』は、宇宙のとある惑星の大気中に水蒸気の存在が確認された事を知った彼女が、「もしかしたら宇宙でも雪が降るかもしれない」と想像を巡らせた事がきっかけで生まれました。タイトルの「111l」は、水蒸気が確認された惑星が、地球からおよそ111光年先にある事が由来になっています。

 

2020年、未知のウィルスによって閉塞感に苛まれた人々と社会。止まらない気候変動、停滞する温暖化対策、それに付随する歪な経済問題。雪が舞い降る広大な宇宙を、旅するようにまとめ上げた『111l』は、そんな鬱々とした悪循環の日々の中で光る、希望にも似た惑星のようです。

藤田はるかが思い描いた宇宙空間が、時を重ねてMONO.LOGUESに現れます。


111l web photo exhibitionより

※参考画像


憂鬱な雨が続くある夜、どこかで花火の上がる音が聞こえた。ベランダに出ると遠くの空の下の方で微かに光る。毎年庭先で見ていた河原の花火大会も例年8月開催だったけれど気候変動のためとうとう10月に変更になった。今年はコロナの影響でそれも中止。

 

2月、私の写真展のトークイベントでお招きした中谷宇吉郎雪の科学館の現館長である古川先生から、宇宙のとある惑星の大気中に水蒸気の存在が確認されたことを聞く。もしかしたら宇宙でも雪が降るかもしれない。

 

温暖化が進み悪循環の渦にある地球の現状と交互に、頭の片隅で誰もいない暗い空間で舞う雪を思い描く。いつか人類はかつては美しかったこの土地を逃れて旅立つのだろうか。残された私たちは様々な思いと願いを載せて花火を打ち上げるかもしれない。

外出自粛中の長梅雨の日々にそんなことを想像していた。

august 2020 fujita haruka

写真集「111l」後書きより



写真集『111l』(2020年)より


藤田はるか

宮城県仙台市生まれ。1998年、渡英。現在、東京を拠点に活動中。

主な展示に、個展 (1998 年/仙台私立現代美術館)、「いくつもの音のない川」(2013 年/AL・東京)(2020年/WATERMARK arts&crafts・東京)、東日本大震災のチャリティー・グループ展「sowing seeds」(2013年/ノルウェー、オスロ)、「winter」(2015年/YKG・東京)(2020年/BOOK AND SONS・東京)、「torikumo」(2023年/BOOK AND SONS・東京) (2023年/LIBRIS KOBACO・福岡)など。

写真集に『いくつもの音のない川』(2013年/私家版)、『winter』(2015年/HeHe)、『111l』(2020年/私家版)、『torikumo』(2022年/HeHe)。

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